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広いところは風が押してくれる

 家族で車に乗っていると、
「広いところは風が押してくれるんだよ」
 という、謎の主張をし始める息子。

 ヨメに聞いても「なんのことかわからない」とのこと。
 ※この主張は今回が初めてではないのですが、いつも謎のままその話は終わってしまいます。
 「どういう意味?」と聞くと「なんでわかんないの!」と怒られるからです。

 しかし、今回ついに謎がとけました。
 
 昨晩、ヨメの実家からの帰り、高速道路に入ったと同時におもむろに窓をあける息子。

「風が入って来た! 風が押してくれるから速い!」
 
 そこでわかりました。
『広いところ』というのは高速道路のことで、高速道路に入るとスピードが上がるのは『風が押してくれる』から、ということのようなのです。
 
 そうか息子よ。
 高速道路で走っている車たちは、風に乗っているから速く走ってるんだな。
 
 前の車を指差して
「あの車も風が押してくれてるの?」と聞いてみると
「そうだよ」と返答。
 
 そんな風に見えているんだ、と感動しながらその視点をマネしてみると、高速道路がとても新鮮に見えましたよ。

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息子、粘土にハマる。

 洗濯機の話ばかりしてもアレなので、これまで通り日常的なことがらを。
 
 ウチの息子は、ブロックが大好き
 いつも作っては壊し、作っては壊ししています。
 
 で、ふと思い出しました。
 石之介も小さい頃、作る遊びが好きで、特に粘土が大好きだったな、と。

 かなり長い期間ハマっていたのですが、姉と母に止めさせられたのです。
 理由は臭いから。
 その辺に飛び散った粘土のかけらたちが匂いを一日中放っていたんですね。
 当時の油粘土は確かに臭かったような気がします。
 
 でも、近頃の粘土は小麦粉で出来てて、臭くない、とヨメ情報。
 しかも口に入れても平気。
 なるほど。娘がうっかり食べちゃっても大丈夫ってことだな。

 久しぶりに自分も粘土で遊びたくなって来たので、勢いで買っちゃいました。
 
 nendoset
 ▲トイザらすで買いました。何か豪華ですね。良い時代。
  6色の粘土がすこしずつ入っています。
 
 長男は大喜びでいろいろとゴネゴネ作っていました。

 で、しばらくすると、息子的傑作が出来たらしく、見せつけて来ました。
 
 nendo_harisenbon
 ▲ハリセンボンだそうです。
  アグレッシブな色使いです。
  なぜハリセンボンなのか。なぜその色なのか。そんな大人の疑問を吹き飛ばす逸品。
 
 息子はすっかり気に入った様子。
 買ってから数日経ちますが、毎日のように引っ張りだしてます。
 
 我が息子よ。やはりお前もハマってしまったか。
 血は争えんな。

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底知れぬド変態・吉村萬壱。『ヤイトスエッド』感想

4062153734 ヤイトスエッド
講談社 2009-04-25

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 読んでてイヤな気分になる作家ナンバーワンの吉村 萬壱さんの新作を発見。
 中身をチェックせずに手に取ってみました。

 今回もクチュクチュバーンバーストゾーンのように人々が無惨に虐殺される話かと思いきや、違いました。
 SF的な設定もなし。

 ですが、相変わらずイヤな気分になる要素は満載です。
 6つの短編から本書は成り立っているのですが、どれもこれも劣情で満たされています。
 しかも、純愛に伴う美しいエロティシズムでもないし、かといって動物的な力強いエロでもないのです。
 なんというか、人間の薄汚い部分と結合した気持ち悪いエロで満載なのです。

『イナセ一戸建て』
 ゲイ的な話です。憧れの作家が近所に引っ越して来た&彼女と別れたのをきっかけにゲイな妄想に取り憑かれてしまいます。
 最後の駅前のシーンが、なぜかムダにカッコいい。

『B39』『B39ーⅡ』
 工場で働く男女がエロい事件ばっかり起こす話。
 非常に閉塞感を感じる世界観です。
 でも、最後に急に、何コレ的な展開があってビックリです。何コレ。
 続きが気になって仕方ないのですが、なんと『B39−Ⅲ』もあるみたいです。
 でも、蔵入りになったそうで。なぜ!?
 非常に残念です。

『鹿の目』
 惚れた女性を勝手に神格化してしまうが、あるコトがきっかけでものすごくガッカリする話
 その「あるコト」がなんだか可愛い、と思います、ボクは。

『ヤイトスエッド』
 ルールを守るために生きているような主人公が、同僚の悪意ある策略の標的にされたのをきっかけに、そのカタい性格に拍車がかかる話。
 でも、本書の中で1番救いがあって、気持ち悪くない話かも。

『不浄道』
 潔癖症の主人公が、ある事件(これも気持ち悪い!をきっかけにきたないものに惹かれていくはなし。
 実害?が1番少ないけど、ほんとイヤな話。

 
 ド変態な作品が多いけれど、文体は読みやすく、時には饒舌さが「森見 登美彦」と似たようなおかしみを感じさせることも。

 とか思ってたら、こんなページを発見。

 いやー、吉村さんは心底ド変態なんだな。感動しました。

 お気に入り度=☆☆☆

 直接的な表現がない箇所でも、性的な隠喩で満たされてたり、ちょっとエロ要素でおなかいっぱい。
 次回作が出たら必ず読むでしょうけど。

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忘れることは無くなることより絶望的だと思う。『最後の物たちの国で』感想

4560071314 最後の物たちの国で (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
Paul Auster 柴田 元幸
白水社 1999-07

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 ポール・オースターの作品は、手に取ってみたくなるタイトルが多いですよね。
 いったいどんな作品なんだろうかと思わせるような。
 『ティンブクトゥ』や『偶然の音楽 (新潮文庫)』や。
 
 そんな中で今回は『最後の物たちの国で』を読んでみました。
 
 舞台は名前が示されない、荒涼とした国。
 殺人や略奪が日常として行われており、次の瞬間に生きていられるかどうかわからない、という程の殺伐した世界。
 
 そんな場所での、主人公:アンナ・ブルームの暮らしが、手記の形で綴られます。
 
「自殺するのが怖いので、代わりに自分を殺してくれる」という商売が成り立つほど死んだ方がましだというほど絶望に満ちた世界にいるのに、アンナは他人を救おうと試みたり、幸せな未来を築こうとしてみたりなど、なかなかのタフネスを見せてくれます。
 それらの行為は感情を抑えつつ淡々と綴られており、状況に対するあきらめを抱きつつも、それでも一歩でも先に進んでみせようという矜持を感じさせて、グッときました。
 
 こんな世界は現代日本に生きる私たちにとっては、異世界であると思いつつも、実際にこんな絶望感に満ちた時代・国はいくらでもあるようにも感じます。
 
 現実と違うところは、「失われた物は忘却される」という点。
 現実では例えば目の前の「えんぴつ」が手元からなくなったからといって、「えんぴつ」という物自体を忘れる訳ではないですよね。「えんぴつ? 何それ?」というような。
 
 人間が他の生き物と違うのは、記憶や記録によって「物が実際になくても」後世に物を残すことが出来る、という点だと思うのですが、この世界では”ある”物しか残っていかないワケですよ。
 これは恐ろしいですよ。
 未来は近眼的な世界になっていくしかない。
 
 この作品そのものである主人公の手記も「残された物」であるわけですが、この手記が失われたら、主人公も忘却され失われるのかもしれません。
 
 お気に入り度=☆☆☆☆☆
 
 見事なディストピアもの。
 同じく死に満ちた、人がグチャグチャと死んでいく吉村萬壱的な世界とは別の絶望感があります。
 でも、読後感はなぜかさわやか。
 もう一回読もう。

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色々詰めようとしすぎだと思う。『食堂かたつむり』感想

4591100634 食堂かたつむり
小川 糸
ポプラ社 2008-01

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 発売から1年経った今でも書店で平積みされたりしているし、表紙もタイトルもセンスを感じる作品なので、かなり期待感を持って手にしてみました。
 
 しかしながら、あまりこの作品を肯定的に捉えることが出来ませんでした。
 
 この作品には色々な素材が詰め込まれています。
 
  インド人の恋人に逃げらたのがきっかけで、声を失う主人公。
  その一方で、自然に囲まれた故郷でオープンした小さい食堂。
  1日1組限定のお客さんたちの人間模様。
  確執のある母とペットの豚との生活。
  食べることとは切り離せない生きるということと死ぬということについて。
  精密な料理の描写。
 
 一見「良さそうな素材」がたっぷりのこの作品ですが、正直言って全てを活かしきれているとは言い難いです。
 素材たちの使い方が唐突で、統一感がないというかリンクされていないというか。

 料理の描写はかなり良くて「食べたい!」と思わせるので「恋人に振られたけど、今食堂で頑張ってます」というような話でも十分楽しめるのに、人間の負の部分を表現しようと思われるエピソードが中途半端に混じって来て、世界に入り込みづらいです。
 
 もうひとつストーリーの背骨を構成する出生にまつわる話も、とても納得できるものではありませんし。
(それが「おかん」の作り話だとしても、それ意外に真実をほのめかす描写も無いので、やはり納得できない)
 
 小川糸さんは、幸せで、良い人なんだと思う。
 でも、それは小説家にとっては、褒め言葉にはなり得るかどうか。
 理解できないレベルの悪意を覗き込めない、そんな体質なんだという印象です。
 いや、それはそれでいいんです。
 幸せに埋め尽くされた作品っていうのも面白い物はたくさんあります。
 でも、中途半端なリアリズムは、止めておいた方が良いと思います。
 
 お気に入り度=☆☆
 
 とはいえ、これはデビュー作らしいので、他の作品も読んでみたいと思います。

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理系男子好きにもオススメ。『ショコラティエの勲章』感想

4488017509 ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア)
上田 早夕里
東京創元社 2008-03

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 食べ物に関する小説を読みたいと思ってたら目に飛び込んできた一冊。
火星ダーク・バラード』などの著作で、ややハードめのSF作家という印象があった上田 早夕里さんの著作ということで少し驚きました。

 ストーリーは、父が営む和菓子店で働く絢部あかりの、ちょっとミステリ要素のある日常を描く短編集となっています。

 実際は絢部あかりは主人公というより狂言回しの役割で、真の主人公は近所の人気ショコラトリー(チョコレート屋さん?)『ショコラ・ド・ルイ』のショコラティエ・長峰、なのかな。
 タイトルも『ショコラティエの勲章』ですしね。

 以下の六話のショートストーリーから構成されています。

 第一話 鏡の声
 第二話 七番目のフェーヴ
 第三話 月人壮士
 第四話 約束
 第五話 夢のチョコレートハウス
 第六話 ショコラティエの勲章

 私が好きだったのは、第1話目ですね。
『ショコラ・ド・ルイ』で、女子高生たちが万引きしたのを見た、と一人の女性が騒ぎだすのだが……。という話です。
 この話は、どの登場人物にも少し毒気があって印象的でした。

 キャラクターに関して言うと、主人公・あかりは若い女性でありながら落ち着いた、というか少し冷めた目線を持っているのが、作品としては好印象。
 題材がチョコレートなので、はしゃぎすぎな女の子が主人公なのかな、と読む前は思っていたので良い意味で裏切られました。

 ショコラティエ・長峰も、あかりと似た雰囲気を持っています。
 常に冷静で、論理的思考を得意としていそう、という印象。
 とか思っていたら、実際にそういうバックボーンを持っている、ということがストーリー後半で明かされます。
(お菓子は理科の実験に似てるって言うし)

 ストーリーやキャラクターもさることながら、チョコレートや和菓子の描写が素晴らしいです。
 おいしそう!という感情を抑えられません。
 私は一般的な男子なので、それほどスイーツに関して詳しくなく、知らないお菓子用語に翻弄されましたが、
 読んだ後は、ひとつひとつ大事に食べたくなりますね。

 お気に入り度=☆☆☆☆

 続編がぜひ読みたいです。
 あかりと長峰の関係が、この作品だけだと微妙な距離感なのですよ。

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洗濯機が燃えました。続き。

 前のエントリーの続きです。
 
 ちょっと長いので、サブタイトル付けます。
 

1・まずはメーカーに連絡する。

 
 鎮火して、ヨメが寝てしまった後も、朝まで起きていた石之介ですが、その間この焼けた機種について調べていました。
 
 どうやら、この機種は30万台弱出荷されていて、これまでも4件ほどの出火事故を起こしている、ということが分かりました。
 
 ウチで5件目だとすると、6万分の1の確率です。 
 0.0017%です。ワーオ。
 言い換えれば、99.9983%の確率で安全(?)なハズです。
(ちなみに今後1年間で、私が交通事故で死ぬ確率は、ざっと計算すると1万5000分の1くらい(1万人÷1億5千万人)なので、それよりずっと確率が低いです。
 皆様におかれましても、洗濯機より自動車にお気をつけて頂くようお願い致します。なんて。)

 そんなまさかのアクシデントが自分の身に降り掛かるなんて想定しながら生活してないですよね。
 
 てことで、とりあえず鎮火したはいいけど、この後どうすりゃいいんだ?という状態でした。
 
 とりあえず朝になったら、メーカーのトラブル対応窓口にまず連絡しよう、ということにしました。
 
 で、朝が来ました。
 こうなったら『エーイ!会社休んじゃえ!』ということで、業務調整して有給取得です。
 
 この日は、残念ながら、頼りになるヨメが娘の検診で昼までいません。
 だから石之介がひとりで連絡するしかありません。不安だわ。
 
 
 変なクレーマーだと思われたらどうしよう、という余計な心配をしながらコール。
 
 すぐにオペレータの女性が出ました。
「あのー、◯◯という洗濯機を使っていたのですが」
「はい」(←感じが良い声)
「昨晩、出火したんですけど、どうしたら良いでしょうか」
 どうしたら良いでしょうか、って言われても困るよね、と心の中で自分ツッコミを入れていると、少しの沈黙の後、
「大変申し訳ありません! 上司に代わりますので少々お待ち下さい!」という返答。
 明らかにアワワワ、な空気を出しながらも、言葉は乱れてませんでした。プロだ。
 変なクレーマーだとは思われなかった様子ですね。
 
 しばらく後、立場のありそうな人が出て『すぐに人を行かせます』ということになりました。
 
 

2・すぐにメーカーの人たちが来る。

 
 で、最初の電話から2時間も経たないうちに、メーカーの人がウチにやってきました。
 このあたりの地域を担当している事業所の所長さんと技術者の方々です。
(正確にはメーカーのアフターサービスを請け負っている関連会社のようです)
 早い! そりゃそうか。こんな事態、あんまりないもんね。
 
 現場の調査をまず行った後、ウチのマンションの管理人や修理業者やらたくさんの人たちがウチの洗面所に集合して、今後の対応策などを話し合っていました。
 
 とりあえず、この季節に子供がいる家庭で洗濯できないのは厳しいので、その日のうちに新しい洗濯機を持って来てもらうことに。
 溶けた洗濯パンは、手配してから搬入されるまで少し時間がかかるため、ひとまず補修して使います。
 焦げた床や壁紙などは、パンを交換する時にいっぺんに換えてしまう、ということでこれもパンの搬入待ちです。
 
 とりあえずの方向性が決まったところで、一旦現場検証は完了です。
 新しい洗濯機を持って来てもらうまでに少し時間が空いてしまいました。
 
 その時、ヨメが「おいしいコーヒーが飲みたい!」と叫びだしました。
(ヨメはストレスが溜まると、スタバとかタリーズとかにたまらなく行きたくなるという特殊能力の持ち主なのです)
 一番近いスタバがあるカルフールに行って、フラペチーノで一息です。
 
 

3・新しい洗濯機が来た。

 
 一息ついた後、新しい洗濯機を早速設置してもらったのですが、ちょっとした問題が発生です。
 
 新しい洗濯機は、焼けた洗濯機より少し大きいようで、洗濯機の横にある扉が引っかかって開閉できない(開けっ放し)、という状況になってしまいました。
 
「案を考えて来ますので、時間を下さい」とメーカーの方。
 
 どうせパンを換える時に配置し直すし、この場ではこれ以上どうにもならなそうだし、このドアは閉まらなくてもとりあえず困らないし、ってなワケで承諾しました。
 
「今後のことは、また連絡します」とメーカーの方々は去っていきました。
 
 
 ってなワケで、色々バタバタしましたが、「洗濯が出来る」というところまでは、とりあえず復旧です。
 
 不謹慎かもしれませんが、ヨメと二人して新しい洗濯機にワクワクしながら、さっそく洗濯をしてみましたよ。
 
 前のより、早いし、かなり静か!
 そう思うとやっぱり前の機種は出来がよろしくなかったのかな※、とか思います。
 
 ※ちなみに私の父は、クリーニング店を40年ほど営んでいるほど、根っからの洗濯野郎です。
 以前、ウチに来た時にその洗濯機をジロジロ見ていたのですが、
 今回のことを話すと「お前たちが気分悪くすると思って言わなかったけど、あの洗濯機、作りがあんまり良くなかった。出火するとは思わなかったけど」と。
 回転がどうとか言ってましたが、ちょっとよく分かりませんでした。
 それにしても、洗濯屋の息子の洗濯機が燃える、っていうのは、なかなかファンタジックな出来事ですよね。
 
 
 今後、何をどうすればいいのかわかりませんが、ひとまず工事が終わるまでは様子を見たいと思います。
 

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洗濯機が燃えました。そして、ヨメが男前でした。

 前回に引き続きまた家電のことを書きますが、今回はとんでもないことが起きました。
 
 えーっと何から話せばいいのか。
 
 ちょっとビックリしすぎてどう表現していいのかわからないので、ジョジョっぽくお伝えします。
 

 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
 
「洗濯機が燃えた」
 
 な… 何を言っているのか わからねーと思うが
 おれも 何をされたのか わからなかった…

 
 
 そうなんです。
 洗濯機が燃えたんです。
 乾燥機付洗濯機が。
 
 
 事件が起こったのは夜23:00時頃です。
 
 ウチは子供たちまだ小さいので、22:00には就寝してしまいます。
 石之介ももちろん熟睡しているのですが、突然ヨメに叩き起こされました。
 
 なにやらヨメがこれまで見たことも無いような真剣顔をしていたので飛び起きてみると、部屋中にケムリ。
 
 「洗濯機が!」と叫ぶヨメ。
 
 急いで洗濯機が置いてある洗面所に行ってみると、側面が焦げた洗濯機と、あたりにススが飛び散っている光景が目に入りました。
 
 すぐに理解できず「あ、夢だな、コレ」と思いつつも、まだ火がついている燃えカスが床にいくつかあって、虫をたたくみたいに焦げたジーパンでそれらを叩き消すヨメを見ていました。
 
 だんだん目が覚めて来て、やっと「これ、かなりヤバかったんじゃない」と気付いて、遅ればせながらアワワとなる情けない私。

  
 話を聞くと、ヨメはウトウトしながらも異臭に気付いて、起きてみたら洗濯機が燃えていた、と。
 で、一人で鎮火させた、とのこと。
 
「なんでオレを起こさなかったの?」と聞いてみると、
 
  石之介を起こすことにする
   ↓
  石之介はなかなか起きない(普段の様子から)ので、時間がかかる&子供たちも起きてしまう
   ↓
  子供たちは火を見て興奮してしまうので、どちらかが面倒を見ることになる
   ↓
  結局、戦力はひとりになる
   ↓
  それなら、今あたしがやるしかない!
 
 という計算が働いたからだそうです。
 
 で、その辺にあったバスタオルやらジーパンやらをバシバシと叩きつけて鎮火させた、と。
 
 fire_g
 ▲焦げたジーパン。戦いの跡。他にもバスタオル数枚が焦げてました。
 
 すげえ。ヨメ。超ヒーローです。
 
 もう、その後はヒーローインタビューです。
 
 石之介は火を見ていないので、どのくらいだったか聞くと
「あと数分遅れてたら、本当に命が危なかったかも」とのこと。
 実際に天井にも焼けこげたススが張り付いていますし、洗濯機の下のプラスチック(洗濯機パンというらしいです)が溶けていますので、かなり危険だったのは確かだと思います。
 
 途中「ダメかも」と心が折れかけて「鎮火をあきらめて脱出する」という方向も考えたけど、「マンションで他の部屋の人に迷惑かけるのもやだし、頑張ってみた」とも。「火事場の馬鹿力だった」と。
 
 
 話をしていたら、ちょっと熱っぽい娘がグズりだしたので
「あたしは家族を救った。疲れたからもう寝る」
 とイケメンな台詞を言い残して、ヨメは寝てしまいました。
 お、男前〜。大好き〜。

  
 鎮火したとは言え、その後も洗濯機から変な匂いが出続けているので、念のため石之介は見張ることにしましたが、朝日が出てくる頃には沈静化。
 
 
 次の日、メーカーに連絡するとすぐに動いてくれました。
 
 実はこの機種は、これまでも数回リコールが起きて、ウチだけではなくこれまでも発火事故を起こしている問題のある機種なのです。
(この事実に関して石之介は、以前より知っており、ちゃんとリコールによる修理は受けています。)
  
 ですので、メーカー側としても迅速に動くような体制が出来ていたのだと思います。

 長くなるので、この続きは別に書きます。
 
 ※ちゃんと然るべきところには連絡しましたし、納得する対応もしてくれそうなので、ここではメーカー名と機種名は伏せます。

5

ああ掃除機よ。ダニを吸ってくれよ。

 ウチの子どもたちは軽いアトピー持ちです。

 以前アレルゲンの検査をした結果から、
 該当するのは、牛乳と卵、あと一番弱いのはハウスダストだということがわかっています。
  
 石之介はアレルゲンの検査をしたことはないですが、子どもたち同様にハウスダストに弱いです。
 遺伝しちゃってゴメンね。
 
 ハウスダストっていうと無機質な感じがしますけども、要はダニなんですね。
 
 生きているダニは大丈夫らしいんですが、死んだダニやフンが粒子状になったのがアレルゲンになるらしいです。
(ちなみにダニを根絶することはかなり難しいみたいです。というより見えないだけで地球上はダニだらけなんです。そんな地球にいて「家の中だけ」ダニをいなくさせるなんて無理な話。人間さえ生きられない環境を作るしかない)
 
 湿気の多い季節は全身がかゆくなるのがなぜなんだろうとずっと疑問だったのですが、子どもたちの検査結果で謎が解けました。
 
 ダニは湿気が大好き
  ↓
 ダニが増える。死骸やフンも増える
  ↓
 発症

 わかりやすい!
 そしてかゆい!
 
 石之介の場合、かゆいだけじゃなくてぜんそくみたいに咳が止まらなくなり、夜中でも息苦しさで目が覚めちゃいます。
 で、寝不足です。
 
 これでは日常生活に支障をきたします。
 子供たちのためにも、自分のためにも、ダニ対策をしなければ。

 ダニ対策について。
 やっぱり布団とかジュウタンとかに多く生息して、干したり叩いたりするだけじゃやっつけられない。掃除機でマメに吸うのが良いらしい、と。
 でも、実は掃除機がダニたちを吸って、粒子化させて排気によってまき散らして逆にアレルギーを悪化させる、という説もあるらしいです。

 ところが最近の掃除機たちはその辺りが配慮されてて、かなり良いらしいというウワサ。
 もう10年くらい使っている(らしい)ウチの掃除機よりは間違いなく良いだろうなー。
 
 ということで、「じゃ、買うか!」と決心したのはいいのですが、どれを買っていいのかわからず。
 ヨメも「もうどうしていいかわからないから決めて」とギブアップ気味。


 ▲ヨメは、ミーレとかダイソンとか海外発祥のサイクロン機に興味がありつつも、日本の技術力にも期待したい、的な葛藤で吐きそうなほど悩んでいるみたい。
 
 石之介も検討をしてみたのですが、何を基準にして選んでいいかわからない!
 しばらくは掃除機情報との戦いが続きそうです。
 
 しかしかゆい季節はもう来ている。
 急げ、オレ!

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幕張で野菜を作る10 〜ミニトマトと、大本命トウモロコシ編〜

 あれほど隆盛を極めたキュウリやナスたちもだいぶ落ち着いてきました。
 今期はこれまでかなー。

 などと思っていたら、伏兵登場。
 ミニトマトとトウモロコシが食べられる状態になっていました。

 特にトウモロコシは虫が食いやすく、難しいと聞いていたのであまり期待していなかったのですが、なかなかの成長ぶりをみせていました。
 大きさ的にはもう少しといったところですが、虫と格闘するのは大変なので、収穫することに。
 
 01_minitomato
 ▲ミニトマトたち。黄色のが一番甘い!
  黄色のは、まだ未熟なのかと思ってました。
  黄色いタイプの種類なのね。

 インターネットで、嫁が何やら調べてるご様子。
 ドライトマトを作るんですって。

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 ▲赤いものだけをカット。

 03_dry
 ▲塩をふって、レンジで。
  ピザの上に乗せたりしたら、ちょうど良いかも!という味です。

 続いてトウモロコシ。
 待ちに待ってたんですよねー。
 今回の畑で一番味わいたかったヤツです。
 無事出来て良かった!
 
 04_corn
 ▲穫ったどー!
  ちょっと小さめ。
 
 05_corn02
 ▲レンジで温め。
  
 食べてみると、実がしっかりしてて、ちゃんと甘い! ウマい!
 小さめで収穫したのが幸いしたのかも。
 虫に食われてたまるか!
 
 トウモロコシはたくさんは穫れないから、じっくり味わいましたよ。
 
 ちょっと名残惜しいですが、このトウモロコシで、そろそろ夏野菜はおしまいかな。

 何気なく始まった畑作りですが、初めての作物たちは予想以上の大成功でした。
 素直にうれしいです。
 
 つぎからは秋野菜に向けて、まずは畑を休ませて、その後土作りを始めようっと。
 むむ。楽しくなってきたぞ。