2016年事件簿 その2 うつ病で休職しました(その後、無事復帰)。

前の記事に引き続き、昨年の振り返りの第2弾です。
前回よりちょっぴり重いテーマになってしまいますが、タイトルの通りです。

実は昨年、うつ病を患ってしまい、数か月間休職しておりました。

現在、まだ月イチくらいのペースで病院には通っていますが、症状はすでにかなり回復して、復職して普通に働いています。
むしろ病気にかかる前より気持ちが落ち着いているほど。

「原因は何?」って聞かれがちなんですが、「コレだ!」というものがあったわけではありません。
数々の出来事の積み重ねの結果だと思っています。

今思うと2年ほど前から不調だったんですが、ごまかしごまかし生活してました。
ごまかしているうちにそのうち元気になるはずだ、と自分に言い聞かせて。

でも、ダメでした。

症状

割と「あー、今日仕事行きたくないなー、うつだわー」みたいな感情って結構一般的だと思うんです。
でも、「うつ病」はこれとまったくレベルが違いました。
気持ちが落ち込んでいる、ということなんか自覚できないんです。

自分では落ち込んでいるつもりはないのに、何に対しても楽しいとも思えないし、興味を抱けない。
以前は大好きだった曲や映画やTV番組や本その他いろいろに対して、まったく感情が湧いてこないんですね。

食欲も急になくなって3日間ほとんど食べずに5kgやせたと思えば、逆に急に異常な食欲になってリバウンドしたり。

とはいえ、仕事は仕事で普通にやっていました。

だからまあ、大丈夫だろう、そのうち元気になるだろうとと。

が、2016年春ごろから状態が良くない方向に。

ある日、仕事中大好きなコーラを買いに自動販売機の前に行くと、どれがコーラだかわからない。売っている商品がすべて同じに見える、というようなことがあったり。

そういった日常的な不調に加えて、希死念慮が非常に強くなってきてしまって。
自分の場合ですが、「死んだら楽になれる」とか考えるわけでなく「死ななくては」という義務感に近い気持ちになってしまい、ある真夜中(家族はみんな寝てる時間)ベランダでのたうち回りながら、「ここから飛び降りるかどうか」を数時間泣きながら悩んだりしてしまいました。

これはさすがに自分でもヤバい状態だな、と自覚しました・

その数日後、すぐに会社に休暇を申し出たのでありました。

休暇が始まり、休むことに徹しました。
すこし休めば復調すると思っており、病院に行くつもりはありませんでした。
今思うともっと早く行くべきだったんですが、当時は「『うつ病』歴があると今後の社会生活に不利になるのでは……」という考えが膨らんでしまって、病院に行くことが怖かったんです。
(「死のう」と考えている人間が、反面「今後の社会生活」を考えているってのは矛盾してますよね~)

しかし、10歩も歩くと息切れして立っていることすらできなかったり、3日間くらいベッドから出られなかったり(”何か”が辛くて起き上がれない。”何か”の正体はよくわからない……)など、どう考えてもよくない状態だったので、勇気を出して近所のメンタルクリニックに行きました。

結果、やっぱり「うつ病」で、最短でも4か月は休むべきという診断でした。

その診断を会社に伝えて、「休暇」を「休職」に変更してもらいました。

回復まで

症状が重い時って本当に何にもできないんですよ。
「家で寝てるだけだから楽だろう」とか思われるかもしれませんが、寝てるだけのことですら本当に辛いんですよね。

寝てるだけなのに異常な疲労感。そしてそんな自分に対しての罪悪感。

考える力も低下しているので、本を読んだりすることもできない。
驚くほど本当に何もできないんですよね。

なので、最初の一か月はとにかく何もしませんでした。
会社のことも仕事のことも何も考えないようにしました。

すると、やはり少しづつ回復して家事をやったり、ちょっと外に出かけたりできるようになりました。

一日中、図書館で本を読んだりしていみたりもしました。
(このころ好んで読んでいたのは東洋哲学です。特に初期仏教や古代インド哲学がなぜか面白く感じて仕方なかったですね)

そんな暮らしを続けていたら、ある日とつぜん、「会社に行きたい! 仕事をしたい!」という気持ちが急激にあふれてきて、それが何日も続いたんですね。
なので、メンタルクリニックの先生に相談して、復職する運びとなったのでした。

復職の初日は緊張しましたね。
数か月も休んでいた自分をまわりがどう見るのか。
仕事はちゃんとできるのか。

でも、それはまったくの杞憂で、数日もしたらすべてが以前と変わらない日常として回り始めたのでした。

現状

いまは月イチで通院して薬を飲んでますが、元気に仕事してます。

ですが、内面的なところでやっぱり変わったような気がします。

もともとちょっと悲観的な性格だったんですが、その悲観的な部分がちょっとだけ横に置かれた、と言いますか。
楽観的になったわけではないです。
悲観性との付き合い方がうまくなった感じですかね。

あと、読む本のジャンルが完全に変わりました。
東洋哲学から始まった哲学への興味が、西洋哲学にも興味が広がってその流れで数学(昔は哲学の一部だったんですよ~)が面白くなり、数学史を紐解いていくうちにコンピュータへとつながっていっちゃいました。
現職はITエンジニアなので結果的に自分のところに戻ってきた感じですね。

一番良いのは希死念慮がまったくなくなったことですね。
いまとなっては死にたいなどと1mmも思わなくなりましたが、当時は確実に死にたい気持ちに支配されていました。
つまりうつ病は下手をすると死に至る病気だということです。
本当に恐ろしいことです。

だから、うつ病を患った結果自殺した、というようなニュースを見ると、本当に悲しくて悔しい気持ちになります。
逃げて良いよ! 後のことなんか考えなくてもいいよ! って。

 

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