『桜下電算書籍の会』に参加してきました。

 4/10(土)快晴!
 元・上司であるカズキさんにお誘い頂いた「桜下電算書籍の会」に行ってきました。
 桜の下で電子書籍について語ろう!という会です。
 
 出版業界を離れてすでに6-7年経ってしまった自分ですが、本&デジタル好きとして参加させて頂きました。
 しかも家族連れで。

 皆様の博識ぶりに感動しながらも、終始ROMってしまいましたが、内面的には興奮。
 ということで、思い出せる範囲で議事録(?)を記して行きたいと思います。
 ※時系列とか「誰の発言なのか」とか、そのへんは大目に見てください。(記憶力的な問題です…)

 

<電子書籍とデザイナーの道>

 エディトリアルデザイナーさんたちは、電子書籍の登場で活躍の場が増えるという期待を持っている人が多かった。

 →でも実際はそうでもないということに気付いた。デザイナーの仕事は「この情報はこう見せる」という仕事だが、web(&電子書籍)は見る側が見たいレイアウトで見るので、デザインの出番がない。

 →「『本のレイアウト』を電子上で見せる」という考え方を捨てるべきなのかも。

 →新メディアの見せ方、をイチから考えるべき。

 →デザイナーたちが協力してそういう風に考えて行ければよいが、ITの世界と比べて、デザインの世界は情報を外に出さない&協力し合わない、という考え方の人が多い気がするので難しいかも。

 →現在の出来事は、「Quarkがindesignになった」というような受け取る側には関係ない変化ではなく、受け取る側を含めた大変化なので深くコミットしていった方が絶対楽しい(&生き残れる)のにね。
 
 

<新聞の生き残る術>

 既存メディア側にいる人は、webにアレルギー持ち過ぎ。

 →実際、新メディアの登場によって駆逐されてしまったメディアなんてないのにね。

 →でも、新聞は危ない。歴史上初の「消えたメディア」になるかも!?

 →新聞がwebより優れている点は、レイアウトにより記事に優劣を付けれられる点。「これは重要であろう」と部分を目立たせる、とか。webは情報の羅列なので受信側が情報のプライオリティを考える必要が出てきてしまう。

 →HTML5ではテキストの重要性がタグにより厳密に決められている。例えば引用部分であっても、引用した側が『どこを重要視しているか』を表すことが出来る。

 →つまり、ある記事について「web上でどのように参照されているか」をシステマチックに抽出できるということ。上記の新聞のメリットを吸収できる。

 →やっぱり新聞の生き残りは厳しい。コンテンツについても「どこに書かれているか」より「誰が書いたか」が重要視されていくであろう状況で、大メディアを隠れ蓑にして無記名で記事を書くというのはもう限界。

 →記者の名前を明らかにする、という方法を取るしかない。
 
 

<お金の稼ぎ方>

 そもそも「情報をオープンに」というところから始まったweb上で情報のみ(=「電子書籍」)でお金を取る、というのは難しいのでは。

 →電子書籍とweb、技術的にもそんなに違わない。電子書籍って、ただのパッケージングなんじゃないの?

 →そういう意味ではやっぱり「電子書籍」はお金にしづらいかも。売る側がただ「これは本なのですよ」と言っているだけ。

 →たとえば佐々木俊尚さんだって電子書籍を推進しつつも、実際の収入は(電子ではない方の)本の売り上げのはず。

 →web上の活動を、他の経済活動に繋げるという方法しか実際には収入化する方法はない、ということなのかも。

 →本の他には?

 →ライブ。セミナーとか。webで情報を小出しにして、セミナーに導く、という方法はメジャー。

 →webで情報を小出しにして、「続きは電子書籍で!」というのはアリかも。

 →電子書籍を作るより、「電子書籍の作り方」というセミナーをする方が儲かるのでは(笑)
 
 

<ePubについて>

 indesignのePub出力はあんまり良くない

 →PDFでいいじゃん。または最初からHTMLで書く。

 →アドビもそう思っているのかも。dreamweaverにepub周りの機能を充実させてくのでは。

 →コピーの問題は?

 →コピーしていくとどんどん劣化していくとかだったら面白い。紙質(?)が古くなってくとか。文章が抜けていくとか。

 →結局HTMLを圧縮しただけのものだから、いくらでもワルいこと出来ちゃうよね。

 →「電子書籍と言えばコレ!」という機器がないから対策しづらいのかも(?)iPadもそこまではいたってない。

 →ラジオもテレビも割とあっさりwebに取り込まれたのに、最古のメディアである本がいまだにフォーマットでゴニョゴニョやってるのは面白いよね。
 
 

<iPadについて>

 実際に触ってみた感想だと「意外と重い」。あと、ibookで「プーさん」(標準で同梱されている)を見たが、正直「本でいいじゃん」と思ってしまった。

 →とはいえ、iPadを触りながらこれで何が出来るだろうと考えるのは非常に楽しい。

 →音楽活動とマッチするかも。譜面を表示させたりするのにピッタリ。めくりが簡単or必要ない。

 →Flash非対応が痛い。出版社的には、「Flashでアプリを作ろう」みたいな本を出したいのに。

 →実は今、iPhoneアプリを作ることができる技術者は余剰気味で価値が下がってきている。なので、apple的には「Flashを導入して開発者の裾野を広げる」ということに全く価値を感じていないのでは。もう充分。

 →iPadは画面も大きいし、インストールできるアプリの上限が大きい。「アプリをたくさん入れてね」というappleの意思を感じる。
 
 →「iPad mini」が出るというウワサ。

 →「iPhone BIG」とどう違うんだ(笑)
 
 
 以上です。

 書いていいのかわからない話もあったのですが、それは割愛してます(笑)。
 
 ワタクシは「なるほどー」ばっかり言って終わってしまいました。
 次の機会には情報を出せるようになりたいッス。

『桜下電算書籍の会』に参加してきました。” への2件のフィードバック

  1. 記録のアップ、ありがとうございます。
    これだけのことをメモも取らずに再現してくれたのは、
    驚異的です。
    流石!

  2. >カズキさん

    褒めていただいてうれしいです!

    とても刺激的な話ばかりだったので、記憶に焼き付いてしまったみたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。