青春を感じる 『老人と宇宙(そら)』 感想

老人と宇宙 (ハヤカワ文庫 SF ス 17-1) 老人と宇宙 (ハヤカワ文庫 SF ス 17-1)
内田 昌之 

by G-Tools

 75才以上にならないと入れない軍隊、という設定に惹かれたので、読むことにしました。

 おおまかなストーリーはこんな感じです。
 

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ジョン・ペリーは75歳の誕生日にいまは亡き妻の墓参りをしてから軍隊に入った。しかも、地球には二度と戻れないという条件で、75歳以上の男女の入隊しか認めないコロニー防衛軍に。銀河の各惑星に植民をはじめた人類を守るためにコロニー防衛軍は、姿形も考え方も全く異質なエイリアンたちと熾烈な戦争を続けている。老人ばかりを入隊させる防衛軍でのジョンの波瀾万丈の冒険を描いた『宇宙の戦士』の21世紀版登場!2006年ジョン・W・キャンベル賞受賞作。

 かなりエンタテインメント性の高い作品でした。
 
 老人→戦士、への再生や、未知なる敵との邂逅と戦い。
 仲間との出会いや再会、別れ。恋。
 
 そういったストレートな楽しみを与えてくれる作品です。
 
 なぜ老人しか軍隊に入れないか、という点ももちろんひとつの謎としてストーリーを引っ張ってくれます。
 正直、それほどインパクトのある答えでもなかったのですが、それが明かされるころにはすでに登場人物たちに感情移入させられてます。物語運びがウマい!
 
 作品中、最も印象に残ったシーンはコンスー族と人間との儀式。
 コンスー族は数々出てくる宇宙人の中でも、目を引く存在ではあったのですが、
 この場面で見え隠れするコンスー族の文化背景が、色々と想像させてくれます。

 例えば、コンスー族が人間と話した後のコレです。

「われがおまえたちのことばを口にして不浄になったので、これより死へと旅立つが……」

 人間としゃべっただけで死んじゃうの!?
(実際はもうちょっと複雑な事情があるのですが…)

 結局、この作品中ではコンスー族の究極的な目的が明かされなかったので、
 思わせぶりで終わってしまうのか、と思いきや、この作品ってシリーズものなのね(訳者あとがきに書いてありました)。

 お気に入り度=☆☆☆☆

 続編をお待ちしております。
 あ、二作目がすでに出てた。読まねば。

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